玉造温泉の旅館、白石家(松江市玉湯町玉造)で、山陰の景色を観賞できるプロジェクションマッピングが宿泊客らの好評を得ている。壁面や床面、天井に投影される映像や音響効果で、風景に入り込んだような体験ができる。山陰の四季の魅力を発信し、リピーター確保につなげる。
1階ロビーに縦2・7メートル、横4・5メートルのスクリーンを2枚、プロジェクターとスピーカーを20台ずつ天井や壁面に設置した。
15分間の映像では、春夏秋冬の山陰の絶景を流す。春は桜の名所、チェリーロード(松江市)や三隅大平桜(浜田市)、冬は雪が降り積もる国立公園・大山など約40カ所。ロビーに面した庭園では映像と連動し、雲海をイメージしたスモークを出す演出も施した。
宿泊で訪れた兵庫県尼崎市の出永優子さん(46)は地元では見られない雪景色が印象的だったとし、「違う季節にも来てみたくなった」と話した。
白石家の内藤優子社長は「映像をきっかけに、山陰をまた訪れてほしい」と期待する。演出や施工で協力した日本庭園由志園(松江市八束町波入)の門脇竜也常務取締役は「深い感動が生まれるような映像に磨き上げたい」とし、石見神楽を題材にした第2弾を思い描く。
プロジェクションマッピングは午後8時45分から、毎日上映している。
(青山和佳乃)