だんごをササの葉で包む女性たち=安来市広瀬町西比田、旧JA比田マーケット
だんごをササの葉で包む女性たち=安来市広瀬町西比田、旧JA比田マーケット

 安来市広瀬町比田地区の名物「あらエッサくんのちまき」が2年ぶりに復活した。毎年この時季に作り、比田郵便局と組んで全国発送していた地元住民グループが高齢化で解散して昨季は製造販売を見送り、ファンに惜しまれていた。地区にゆかりのある松江市内の企業が事業を引き継ぎ、地元住民を短期雇用して今季のちまき製造に励んでいる。

 比田地区のもち米やうるち米、ササの葉を使う。30年以上前に住民有志が製造販売を始め、2004年からは地元住民グループ「いきいき比田の里加工部会」が担っていた。

 今季から製造販売を引き継いだのは、東光グループの高齢者施設向け給食サービス業・忠光フードサービス(松江市浜乃木3丁目)。田辺亮社長(42)は父の古里が比田地区で、祖父母がちまきを作るのを子どもの頃から見てきた。知人からの問い合わせで加工部会の解散を知り、復活に向けて準備してきた。

 安来市広瀬町西比田の旧JA比田マーケットの建物を借り、地元の年配者ら22人を短期雇用して27日、ちまき作りを始めた。6月6日までに2万本を作る。田辺社長は「季節を感じさせてくれる思い出のちまきがなくなることは考えられない。貴重な伝統文化を次代に継承したい」と話す。比田を拠点に、冬場には正月用のひらもちの製造販売も新たに手がけたい考え。

 ちまきは一箱20本入り、砂糖醤油(しょうゆ)付きで送料込み4600円。6月4日まで注文を受け付ける。電話0854(28)9102。 (桝井映志)