セレビアが販売するキャビア。粒の大きいアムールチョウザメ分(左)とシロチョウザメ分(右)が特に人気を集めている
セレビアが販売するキャビア。粒の大きいアムールチョウザメ分(左)とシロチョウザメ分(右)が特に人気を集めている

 建設業の(有)小林建設(島根県邑南町下田所、小林憲治社長)が取り組むチョウザメの養殖事業で、グループ会社の(株)セレビア(同町上田所、同)がキャビアの生産増に向け、養殖池を新たに整備した。大きめの粒が人気のアムールチョウザメやシロチョウザメの養殖に重点的に取り組み、5年後にキャビアを主力とした養殖事業の売り上げ倍増を目指す。

 キャビアは、食と農を切り口とした邑南町の「A級グルメ」構想の主要産品と位置付けられ、コロナ禍の内食需要拡大を受けて引き合いが増えている。セレビアの2020年の売り上げは身の薫製も含めて2500万円で、前年より200万円増加。5年後の目標を5千万円とした。

 新たな養殖池は近くの水田を購入して造成し、3カ所計1555平方メートル。5年間で養殖数を2倍の2万匹に拡大することを目指し、出荷時に直径3・7ミリ程度の大粒となるアムールチョウザメやシロチョウザメの養殖に注力する。特に高級種のアムールは自社で人工ふ化させることに成功しており、全国各地の同業他社とのすみ分けを図る。

 チョウザメの養殖事業は、小林建設が05年に異業種参入で開始。邑南町上田所、同町鱒渕で所有する水槽27カ所(計900平方メートル)で7種類、計約1万匹を養殖している。生産拡大に向けては現在の水槽では手狭なため、セレビアが250万円を投資し、造成した。

 小林社長(75)は「販路拡大には供給量不足が課題だった。邑南町産食材の認知度を高めるためにも、計画的な増産で需要に応えたい」と意気込んだ。