「ワン・ツー・スリー」のかけ声で始まるアップテンポなナンバーは、秒殺でフェイバリットな1曲となった。1965年にデビューした米国のグループ、ラスカルズの「グッド・ラヴィン」。ラテン風の軽快なリズムに力強いボーカル、間奏には鋭いギターが入り、聞くといつでも身も心も躍り出す。
ラスカルズはボーカル・キーボードのフェリックス・キャヴァリエを中心に結成されたニュージャージー出身の白人4人組で、黒っぽいフィーリングを持つブルー・アイド・ソウルのグループ。60年代に黒人音楽を主体に発売していたアトランティック・レーベルからデビューした。類似名のグループがいたため、サードアルバム「グルーヴィン」までは「ヤング・ラスカルズ」として活動していた。

グッド・ラヴィンは2枚目のシングル曲で、66年4月にナンバーワンヒットを記録。ファーストアルバムに収録されている。元々は前年にオリンピックスがヒットさせた曲(最高位81位)だが、ラスカルズのバージョンはそれをはるかに上回るチャートアクションで、若者を中心としたロックファンに熱烈に支持された。
72年に解散するまでに9枚のアルバムをリリースし、トップ40ヒットを13曲も出すなど人気の高いグループだった。
また、ファーストアルバムではカバー曲でラリー・ウィリアムスの「スロー・ダウン」やウィルソン・ピケットの「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」を取り上げるなどリズム&ブルースへの造詣も深かった。
シティー・ポップ人気で世界的に評価が高まっている、わが国が誇るアーティスト・山下達郎もラスカルズは大のお気に入りのようで、エフエム山陰で毎週日曜午後2時から放送している人気ラジオ番組「サンデー・ソングブック」のエンディング・ナンバーに、チャート1位を獲得した「グルーヴィン」(67年、サードアルバム収録)を使っている。
ドラムのディノ・ダネリが昨年亡くなった後も特集番組を放送し、業績をたたえていた。
ちなみにグルーヴィンはリズム&ブルース・チャートでも3位に達し、多くの黒人シンガーがカバーしたことでも知られる。
他に、ケネディ大統領暗殺が創作の動機となった「ピープル・ガット・トゥ・ビー・フリー(自由への賛歌)」(68年)もチャート1位を獲得。名曲の数々は今も輝きを放ち続ける。 (川)
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