アクロバットな演技を見せるハンドボルテージのエチオピアチーム＝兵庫県西宮市
屈強でいて、しなやかな美しさ－。相反しそうな形容が彼らにはぴたりとはまる。体操の演技を思わせるアクロバット技を繰り広げるが、器具は一切使わない。土台とする仲間の体をばねに、宙高く舞い、回転し、観客を魅了する。
演じるのはエチオピア出身の８人チーム。仲間が組んだ腕をトランポリンに、伸ばした手を鉄棒のように利用して次々と技を繰り出していく。跳ぶ人、投げる人、受ける人の呼吸が少しでもずれれば、大事故につながる。絶対の信頼関係がベースにある。
見せ場は、人間タワーともいうべき妙技。数メートル離れた仲間の肩の上へと跳び乗ってゆく。６年前の前回公演にもあった演技構成だが、メンバーが入れ替わって練習も重ね、未踏の４段（人）タワーを成功するに至った。サラさん（２７）は「とても難しい」と言う。
演出のモチーフは「エチオピアの戦士」。故郷と遠く離れた松江で躍動する。 （文・勝部浩文、写真・森山郷雄）
▼ポップサーカス松江公演
公演は７月１７日から９月１８日まで（毎週木曜と７月１９日、８月３０日、９月６日は休演）、松江市学園南１丁目の旧島根県立プール跡地広場で。前売り入場券は大人３千円、子ども（３歳～高校生）２千円。当日は各５００円増し。問い合わせはポップサーカス松江公演事務局、電話０８５２（６７）７９６０。
