新アルバム「BROKEN BY DESIRE TO BE HEAVENLY SENT」
新アルバム「BROKEN BY DESIRE TO BE HEAVENLY SENT」

 別れた恋人の幸せを願える男が、世の中にどれほど存在するだろうか。6月度のエフエム山陰洋楽パワープレイ「V─airツキ押しWP」は、スコットランド出身のシンガー・ソングライター、ルイス・キャパルディの「ウィッシュ・ユー・ザ・ベスト」だ。

 2017年のデビューEP「Bloom」が全世界で1億2千万回ストリーミング再生という大成功を収め、現在もヒット曲を生み出し続けている。

 そんなルイス・キャパルディが5月19日に4年ぶりとなるアルバム「BROKEN BY DESIRE TO BE HEAVENLY SENT」をリリースした。収録された楽曲のうち、5曲が全英シングル・チャート1位を獲得している。これは、ケイティ・ペリー、デビッド・ボウイ、ビヨンセなどに並ぶ快挙となっている。

 病や大きな失恋を乗り越えた彼の気持ちを赤裸々に乗せた「ウィッシュ・ユー・ザ・ベスト」は、率直に言えば、単なる傷ついた男の失恋ソングなのだが、なぜか未練も情けなさも感じないのは彼の力強いボーカルによるのだろう。

 ルイスは男前というわけではなく、どちらかといえばかわいく親しみやすい顔立ちをしている。そのギャップが、なんとなく大スター、エド・シーランに通じる。

 曲の最後で「さよならしたくなかったけど、君の最高の幸せを願うよ」と歌っている。これはルイスの本心に違いない。別れた彼女の幸せを願うような男だとつい思わされてしまうような、優しい顔と正直な声を持っている。(エフエム山陰 高田リオン)