自作の存清螺鈿平棗「野蒲萄」を説明する高橋香葉さん=松江市朝日町、一畑百貨店
自作の存清螺鈿平棗「野蒲萄」を説明する高橋香葉さん=松江市朝日町、一畑百貨店

 【松江】山陰両県で創作に励む作家らの作品を集めた「山陰の伝統工芸展」が22日、松江市朝日町の一畑百貨店で始まった。陶芸、漆芸、木竹工、金工、七宝の多様な約100点が来場者を楽しませている。28日まで。

 両県で活動する40~50代の日本伝統工芸会員11人が出品。陶芸の人間国宝前田昭博さん、金工の人気作家佐故龍平さんの作品も展示する。

 植物をモチーフにする漆芸の高橋香葉さん(56)=松江市天神町=の存清(ぞんせい)螺鈿(らでん)平棗(ひらなつめ)「野蒲萄(のぶどう)」が目を引く。幅7・5センチ、高さ4センチの器には金で縁取られた野蒲萄の葉が描かれている。アワビなどの貝殻を貼り、色漆を埋め込んだ螺鈿が、見る角度によってきらきらと輝き、華やかさを演出している。

 陶芸の森和之さん(43)=鳥取市青谷町=は瑠璃色の磁器を制作。島根県で開かれる作品展には初出品といい「山陰の多くの作家を広く知ってもらいたい」と話した。(坂上晴香)