第71回全国植樹祭にオンラインで参加し、のこぎりでクロマツを切られる天皇陛下と皇后さま=30日午後、赤坂御用地(代表撮影)
第71回全国植樹祭にオンラインで参加し、のこぎりでクロマツを切られる天皇陛下と皇后さま=30日午後、赤坂御用地(代表撮影)
天皇陛下のお手植えを式典会場から見守る参加者=大田市三瓶町、三瓶山北の原
天皇陛下のお手植えを式典会場から見守る参加者=大田市三瓶町、三瓶山北の原
第71回全国植樹祭にオンラインで参加し、のこぎりでクロマツを切られる天皇陛下と皇后さま=30日午後、赤坂御用地(代表撮影)
天皇陛下のお手植えを式典会場から見守る参加者=大田市三瓶町、三瓶山北の原

 第71回全国植樹祭(国土緑化推進機構、島根県主催)が30日、大田市三瓶町の国立公園・三瓶山北の原を主会場に開かれた。天皇、皇后両陛下は新型コロナウイルス禍のため、東京・元赤坂の赤坂御用地からオンラインで出席された。島根県内外の招待者ら約2200人が、森林を守りながら木を活用し、次世代へつなぐ「循環型林業」の実現へ、決意を新たにした。 (錦織拓郎)

 島根県での開催は、同じ会場であった1971年以来、50年ぶり。同一の場所で2度の植樹祭をするのは初めて。

 「木でつなごう 人と森との 縁(えにし)の輪」をテーマに、三瓶山の式典会場で島根県の丸山達也知事が「いにしえの時代から築かれてきた人と森との深いつながり、縁の輪を、未来の世代へと引き継ぐ」と述べた。

 式典会場と赤坂御用地に大型モニターを設置。天皇陛下は「植えて、育てて使い、また植えるといった『緑の循環』が広く実現することを期待します」と述べ、前回の島根大会で昭和天皇が植え、約17メートルに育ったクロマツをノコギリで切る「御収穫」に臨んだ。

 続いて、両陛下によるスギやシャクナゲなどの「お手植え」、エノキやクルミなどの「お手播(ま)き」があった。

 天皇陛下は「島根県を訪問し、皆さんと直接お会いできないことを残念に思います」と述べ、準備した関係者をねぎらった。また、三瓶会場の壇上でお手植えの苗について説明した島根県内の子どもたちに「丁寧に説明をしていただき、どうもありがとう。緑を守り、育てる気持ちを大切に持ち続けていただきたいと思います」と画面越しに声を掛けられる場面もあった。

 丸山知事のほか、国土緑化推進機構の大島理森会長(衆院議長)や野上浩太郎農相らが出席した三瓶会場では、代表者の記念植樹、緑化功労者表彰があったほか、県内の中学生や林業関係者が植栽や環境保全啓発の取り組みなどを発表。島根県立農林大学校の学生2人による大会宣言で締めくくった。

 島根県での植樹祭は昨年開催予定だったが、コロナ禍で1年延期となっていた。次回は2022年に滋賀県内で開かれる予定。