地元住民の調理作業を見学する真砂小の児童たち=益田市波田町、市立地域活性化交流館
地元住民の調理作業を見学する真砂小の児童たち=益田市波田町、市立地域活性化交流館

 益田市真砂地区に複合施設「市立地域活性化交流館」が完成した。小学校、保育所、公民館、診療所の機能を併せ持つユニークな施設。「ゼロ歳から100歳までの住民が一緒に過ごす地域活性化の拠点にしたい」との関係者の願いを込め、29日に竣工する。市によると学校と公民館などを併設する施設は市内初で、県内でも珍しいという。

 交流館は総事業費約5億8千万円で整備、真砂小学校や真砂公民館、真砂保育園、真砂診療所が入居する。

 10年度以降、真砂小などの耐震化を求める地元住民の声を受け、市と地元が整備計画を協議。20年には地域自治組織「ときめきの里真砂」が、真砂小の改築に合わせて学校、福祉機能を一つにした施設を市に要望し、それ以降、官民で基本設計を進めてきた。

 交流館は既に稼働しており、22日は小学校の家庭科で使われる調理室で、JA西いわみ女性部真砂支部のメンバーが地元の独居高齢者に配る弁当作りを実施。学童保育で訪れた夏休みの児童も見学した。

 女性たちが24人分の巻きずしや酢の物を手際よく作る様子を興味深そうに見入った、真砂小4年瀧谷(たきたに)瑠彩(るあ)さん(10)は「地元のおばあちゃんたちが作った弁当はとてもおいしそう」と笑顔。久保田敏枝支部長(77)は「子どもが一緒にいると、こちらも元気になる」とほおを緩めた。

 地域自治組織の学び合い部会長を務める村岡宙(ひろし)さん(41)は「有事の際には防災拠点とし、今後は地域農園なども併設する予定だ。施設としての完成形を模索していきたい」と思いを語った。

 29日の竣工式後には地区民向けのお披露目会が開かれる。 (中山竜一)