銅鐸の木型を外し、鋳型を完成させる参加者=松江市朝日町、松江テルサ
銅鐸の木型を外し、鋳型を完成させる参加者=松江市朝日町、松江テルサ

 ミニ銅鐸(どうたく)を作る体験教室が29日、松江市朝日町の松江テルサであった。小学生ら12人が、島根大の新学部・材料エネルギー学部の清水一道教授(61)から手ほどきを受け、鋳造技術やもの作りの魅力を学んだ。

 弥生時代の青銅器で釣り鐘のような形の銅鐸は、溶かした金属を鋳型に流し込む「鋳造」という方法で作られたことから、参加者は鋳型作りに挑戦。銅鐸の形をした木型を中央に置いた木枠に砂を入れ、隙間ができないように丁寧に敷き詰めた。木型を外すと鋳型が完成。鋳造部品製造会社の社員が300度に熱した液体のスズを流し込む様子を、子どもたちは真剣な表情で見守った。

 粗熱をとり、固まったスズを鋳型から外すと手のひらサイズの銅鐸が出来上がった。受け取った玉湯学園6年の永田結衣和(ゆいな)さん(12)は「思ったより重くてびっくりした。砂を詰めるところが力がいるので難しかった」と話した。

 もの作りをテーマにした「テクノカフェ」の一環で、室蘭工業大(北海道室蘭市)の副学長も務める清水教授が札幌に続き、松江で開いた。青銅器に詳しい島根県教育委員会文化財課の増田浩太主幹(49)が銅鐸製造の謎をひもとく講演もあった。 (小引久実)