松江市殿町の島根県庁にはかつて「幻の別館」の建設計画があった。場所は県庁西側で、現在の職員駐車場。世界的建築家、菊竹清訓氏(1928~2011年)の構想が実現していれば、日本初の超高層ビルが城山近くに立ち、今とはまったく違う景観となっていたかもしれない。

 菊竹氏は江戸東京博物館(東京都)など全国の名建築を手掛け、県庁周辺では県立の図書館、武道館、旧博物館を設計した。

 県庁別館は周辺整備の一つで、1960年代に100メートル近い超高層ビル案を県側に提案。島根県庁周辺整備誌によれば...