地滑りにより路面がひび割れた山陰道の管理用駐車スペース=出雲市多伎町小田(松江国道事務所提供)
地滑りにより路面がひび割れた山陰道の管理用駐車スペース=出雲市多伎町小田(松江国道事務所提供)
地滑りにより路面がひび割れた山陰道の管理用駐車スペース=出雲市多伎町小田(松江国道事務所提供)

 島根県東部を襲った7月上旬の大雨以降に、出雲市多伎町小田の山陰道脇の斜面で地滑りが発生し、道路管理用の駐車スペースの路面に約10メートルの亀裂が発生したことが分かった。現在、地滑りは収まっているが、国土交通省中国地方整備局松江国道事務所は22日、来年度中に恒久的な安全対策を実施することを明らかにした。

 亀裂が見つかったのは、出雲多伎インターチェンジ(IC)から約1・6キロ西の本線横駐車スペース。推定で幅50メートル、高さ20メートル、奥行き45メートルの地滑りが発生し、路面が隆起したという。

 7月10~11日に出雲多伎-大田中央・三瓶山間を通行止めとした。応急対策のため、地滑りや地下水の水位を観測する計測器を設置し、地下水排出用の横ボーリングを5本実施。今後、データを取得した上で、地滑りを防ぐためのアンカーの打ち込みや、横ボーリングを組み合わせた安全対策を検討する。伊藤法政副所長は「来年度内には完成させたい」と話した。

 松江市内であった有識者でつくる対策検討委員会(委員長・河原荘一郎松江工業高等専門学校教授、7人)の会合で、事務所側が被害状況や対策を説明。委員から了解を得た。地滑り拡大の兆候はないが、1時間に2ミリを越える動きが確認されれば、再度通行止めにすることも決めた。(高見維吹)