38歳のベテラン前田陽子が4アンダーの68で単独首位に立った。正確なショットでグリーンの好位置を捉える手堅いゴルフで五つのバーディーを量産。レギュラーツアーを含めて8年ぶりの勝利に向け、好スタートを切った。
2014、15年にレギュラーツアーで1勝ずつを挙げたが、その後は勝利から遠ざかり、近年はステップアップツアーでプレーすることが増えてきた。
低迷を抜け出そうと、3年前からは「クラブの使い方」を強く意識。アイアンを振る際にハンドファーストとボールにいい回転を加えることを心がけたことで弾道が安定するようになり、7月下旬にあったレギュラーツアーの楽天スーパーレディースでは19位に入った。
今大会でも好調さは変わらなかった。ティーショットは、深いラフにつかまらないようにフェアウエーキープを意識。ショットの安定感も抜群で、セカンドショットをピンまで約3メートルの位置につける場面が何度もあった。
インスタートの4番(パー4)でこの日唯一のボギーをたたいたが、ペースは乱れなかった。5番(パー4)では3打目でピンまで10メートルの位置につけたが、残ったのは難しい下りのスライスライン。うまくラインに乗ってほぼ直角に曲がった末にボールはカップに吸い込まれた。この「奇跡のバーディー」でリズムに乗り、その後の4ホールはパーでしのいだ。
プロ入り後も段ボール工場でアルバイトをしながら大会に参加していたという苦労人。最終組に入る予選第2ラウンドに向け「何度も経験するが緊張はする。(これまでの最終組では)守りのプレーが目立ったので、攻めていきたい」と闘志を燃やした。
(景山達登)