秋分の日を過ぎ、暑さは和らいだが、日差しの強い日は続いている。秋になっても紫外線外線の量は衰えていない。今年の夏の甲子園、優勝を飾った慶応高校の選手が日焼け止めを使っていることが話題になった。部活動ではまだ日焼け止めを使っている男子生徒は少数派とみられる。日焼け止めは従来、美容対策のイメージが強かったが、専門家は紫外線が強くなる中、体を守るために必要と言う。40年以上皮膚科医として診療に従事し、皮膚外科もこなす高垣皮膚科クリニック(出雲市東福町)の高垣謙二院長(74)に聞いた。(Sデジ編集部・林李奈)

甲子園で優勝を飾った慶應高校の丸田湊斗選手(共同)

 ─今、どうして日焼け対策が必要ですか?

 「日焼け対策をしないままでいると、紫外線を受けた時だけではなく、受けた後の肌トラブルにつながる。紫外線を受けると皮膚がやけどし傷つく。この傷は、細胞だけではなくDNAまでを破壊する。通常はこの傷は修復されるものだが、傷を受け続けるとこの修復機能にエラーが起き、皮膚がんや老化の原因となる」

 ─男子も日焼け止めをした方がいいですか?

 「男性だからといって日焼け止めを塗らないでいいというわけではない。男性も女性、老若男女問わず同じような対策が必要。肌は大人より子どもの方が弱い傾向にあるが、男女での差は存在しない。男性も女性と同じように日焼け止めを塗ることで、老化や肌トラブルを防ぐことができる」

日焼け止めの重要性について語る高垣謙二医師

 ─昔より紫外線を受ける量は増えていいますか?

 「オゾン層が薄くなり、地球に降り注ぐ紫外線の量は増え続けている。我々は以前より強い紫外線を受けるようになった。さらに平均寿命が延びたことも紫外線によるトラブルが増えている原因だ。長い間紫外線にさらされると皮膚がんのリスクが高まる。今は何もないが年をとった時に、シミやかぶれ、皮膚がんなど紫外線によるトラブルが増える」

─日焼け止めの選び方は?

 「日焼け止めの表示を見ると、『SPF』と『PA』という表示がある。SPFは日焼け止め効果の持続時間を伸ばす効果のこと。SPFの1~50までのプラスの数字が大きいほど紫外線を防御してくれる時間を伸ばす効果がある。

 PAは紫外線の防止効果を表し、...