夏になると女性は紫外線が気になる。紫外線から肌を守る方法や日焼けをしてしまった時の手入れのポイントを専門家に聞いた。(Sデジ編集部・宍道香穂)
出雲市大津朝倉1丁目のエステサロン「PURLY(ピュアリー)」代表で、美肌作りをサポートする「美肌ソムリエ」の資格を持つ原久子さんに話を聞いた。

原さんは「紫外線を浴び過ぎると、シミ、しわ、たるみ、乾燥といった肌のトラブルにつながる」と説明した。
紫外線には波長が長いA波と波長が短いB波の2種類があり、A波は5月、B波は7月がそれぞれ最も多く降り注ぐ。B波はこれからの季節に量が増え、シミの原因になるメラニンを活性化させるメラノサイトを刺激する。夏の紫外線は特にシミの原因になりやすい。また、肌の表面がダメージを受けるため、表面がこんがりと黒くなってしまうのも夏の紫外線ダメージの特徴だ。
波長が長いA波は肌表面の表皮のすぐ下にあるコラーゲンやエラスチンといった組織にダメージを与える。コラーゲンやエラスチンは肌の弾力を保つために重要な組織で、傷ついてしまうと肌に張りがなくなり、しわやたるみを引き起こす。肌のしわは加齢で増えるイメージがあるが、原さんから大きな原因は紫外線によるダメージと聞き、驚いた。

A波、B波ともに季節によって量は違うが、一年を通して降り注いでいる。近年は空気中のCO2(二酸化炭素)量の増加により、地球に降ってくる紫外線を吸収するオゾン層が薄くなってきている。この夏こそは油断せず、きちんと対策しなければ。
紫外線による肌トラブルの対策として原さんは「日焼け止めを塗ることと、しっかり保湿をすること」とアドバイスした。肌を紫外線から守るためには、やはり日焼け止めが有効という。原さんは「くもりや雨の日でも紫外線はある。晴れた日だけでなく、明るい時間帯はきちんと日差し対策を」と呼びかけた。

肌が乾燥し水分量が少ないと、日焼けをしやすくなるため、保湿も大切。夏は湿度が高く、肌がべたつきやすい。肌がべたつく夏は保湿に気が回らない人も多いが、日差しや冷房で肌は乾燥している。原さんは「べたつきが気になり、化粧水をつけるだけでスキンケアを終えてしまう人もいるが、乳液やクリームを塗ることで肌にふたをして水分の蒸発を防ぐことができる」とし、「紫外線対策も保湿も1年を通して必要なケア」と、美肌を保つポイントを教えてくれた。

対策をしていても、うっかり日焼けをしてしまうことがある。原さんは「肌が日焼けした時は、熱を持っている部分を冷やし、しっかり保湿をするといい」とアドバイスした。
日焼けをした後の肌のほてりは、肌内部が炎症を起こしている証拠だという。メラニンの活性化を防ぐため、ぬれたタオルを当てるなど、肌を優しく冷やし炎症を治めることが大切。さらに原さんは「冷やした後、しっかりと保湿を。化粧水で水分を補給し、乳液やクリームでふたをするといい」と続けた。
肌のほかにも目や髪を紫外線から守ることも大切という。原さんは「目から紫外線が入ると、脳が体にメラニンを作るよう指令を出す。サングラスなどを使い、なるべく目が直接紫外線を浴びないようにするのがお薦め」と説明した。
髪の毛が紫外線のダメージを受けると、パサつきなどの原因になる。一度傷ついてしまった髪の毛は完全に修復できないという。帽子をかぶるなど、しっかりと対策したい。

紫外線による影響といえばシミ、というイメージだった。原さんの話を聞き、しわやたるみ、乾燥と、さまざまな肌のダメージが引き起こされることを知った。夏に肌が黒くなっても冬には元に戻るからと、つい対策を怠ってしまいがちだった。この夏からきちんと紫外線対策やスキンケアに取り組もうと思った。