カシオペヤ座とケフェウス座(資料)
カシオペヤ座とケフェウス座(資料)

 秋の夜空を見上げて面白いのは、北から東の空にかけて見える星座たち。ギリシア神話でつながっている、と天文の専門家に聞いた▼舞台は古代エチオピア国。アンドロメダ姫の美貌を鼻にかける母親の王妃カシオペヤが「娘は海の妖精より美しい」と発した一言に海の神ポセイドンが激怒。大洪水を見舞わせ、姫をいけにえにしろと王ケフェウスに命じる。姫は絶体絶命だが、王子ペルセウスが現れ…▼自慢はほどほどに、と言いたいが、現代ならばカシオペヤ妃は交流サイト(SNS)で娘の写真を投稿しているだろう。見る人が癒やされる場合もあれば、自身のリアル(実生活)が充実していないことで、他人の「リア充」投稿に疎外感や孤独感を深めることもある▼鳥取県が2022年末に行った孤独感に関する調査で「孤独感がしばしばある・常にある」と答えた人は7・2%に上り、年代別では20代が11・6%、30代が10・2%と若い年代ほど高かった。70代以上は2・5%だから孤独の感じ方が違うのだろうか。全国調査も同様の傾向だ▼県は20、30代はSNSを頻繁に利用する年齢層だが、SNSのつながりでは必ずしも孤独感の緩和に至っていないことが推測されると分析した。孤独感は誰かや何かと比較したり、執着したりすることでもより募る。もしネットの世界が助長するのであれば、少しの間でも離れてリアルなよりどころを探したい。(衣)