鳥取県琴浦町で陸上養殖したサーモンを使った期間限定メニューを、同町内の15の飲食店で楽しめるイベント「とっとり琴浦グランサーモンフェスタ2023」が8日に始まる。陸上養殖による供給の安定性や食品としての安全性を事業者や住民にアピールし、消費拡大を狙う。31日まで。
とっとり琴浦グランサーモンは、林養魚場(福島県)が琴浦町に設立したグループ企業が、国内初の陸上養殖サーモンとして2018年に出荷を始めた。
赤碕港(琴浦町赤碕)内の陸上施設で大山山系の良質な地下水を使って育てるのが特徴。海面養殖と比べ、寄生虫などの心配がなく、水温変化に左右されず安定的に出荷できるのも強みで、22年は年間約150トンを出荷した。今年7月には大手回転ずしチェーンに期間限定で供給するなど全国展開を進める。
フェスタは、地元の飲食店にサーモンを扱うきっかけにしてもらおうと、町商工会が企画した。
参加15店は、サーモン丼やすしといった定番料理に加え、トウモロコシ粉の生地で野菜とサーモンを包んだメキシコ料理のブリトー、クリームチーズと合わせお酒が進むよう考案したというセイボリータルトなど多彩な料理を提供する。動画像を交流サイト(SNS)に投稿するなどし広報にも力を入れる。
5日は町商工会館(琴浦町徳万)で地域住民らを招いたメニュー発表会があった。マリネを食べた鳥取県江府町の公務員、加藤紘也さん(29)は「あっさりしていて食べやすい。イベントの開幕を楽しみにしている」と話した。牧田卓也実行委員長は「新名物を起爆剤に町を盛り上げたい」と力を込めた。問い合わせは実行委、電話0858(52)2178。(中村和磨)