山陰線を走るトワイライトエクスプレス瑞風=2021年、浜田市三隅町岡見
山陰線を走るトワイライトエクスプレス瑞風=2021年、浜田市三隅町岡見
山陰線を走るトワイライトエクスプレス瑞風=2021年、浜田市三隅町岡見

 JR西日本が運行する豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の立ち寄り観光地に、大田市の世界遺産・石見銀山遺跡が新たに加わる。2024年秋以降の運行に組み入れ、乗客は温泉津駅(大田市温泉津町小浜)で下車し、専用バスで現地を巡る。12日に同社が発表した。

 瑞風は17年6月に運行開始し、山陰と山陽の各上り・下り、山陰・山陽を周遊する全5コースがある。石見銀山遺跡への立ち寄りは、下関駅(山口県下関市)を出発し京都駅(京都市)まで1泊2日で旅する山陰の上りコースで、同遺跡には1日目に立ち寄る。下車後の具体的な周遊先や滞在時間は今後詰める。

 大田市に決定を伝えたJR西日本山陰支社の佐伯祥一支社長は「石見銀山遺跡のエリアは人々の営みが感じられるのが特徴。人を通じて魅力を伝えたい」と狙いを語った。温泉津駅は現在、列車の行き違いで瑞風が数分間停車しており、地元住民が手を振るなどおもてなしを続けてきた。楫野弘和市長は「地域の情熱が実った」と喜んだ。

 山陰の上りコースは現在、出雲エリア(出雲市)と鳥取・東浜エリア(鳥取市、鳥取県岩美町)が立ち寄り観光地で、石見銀山遺跡の追加により、出雲エリアは外れる。瑞風はリピーターが多く、運行開始から6年が過ぎ一部変更した。周遊コースで立ち寄る松江・雲南エリア(松江市、雲南市)に変更はない。

 瑞風は10両編成で最大34人が乗車できる。新型コロナ禍での運行休止を経て、全5コースの2023年12月~24年2月出発分は、定員に対し3・9倍の申し込みがあるなど好調という。料金は1泊2日の最も安い客室で1人約30万円。(勝部浩文)