町を活性化させるアイデアを提案するツアー参加者=島根県隠岐の島町下西、町役場
町を活性化させるアイデアを提案するツアー参加者=島根県隠岐の島町下西、町役場

 全国のベンチャー企業経営者22人がこのほど、島根県隠岐の島町を訪れて地元の経営者たちと意見交換した。町内の事業所や観光地を視察し、人口減少と人手不足に直面する同町の活性化策を提案した。

 ツアーはベンチャー支援を手がける事業者が主催。オンライン代行業やコンサルタント事業者など多様な分野の経営者が参加した。

 一行は、隠岐ジオパーク推進機構の担当者から豊かな自然についての説明を受けた後、酒造会社を見学。町役場では人口減少の背景や、資格が必要な自動車整備士や電気工事士などの人材不足が顕著な離島特有の課題を聞いた。地元の建設業や小売業、ホテル経営者ら5人とは、島の経営環境や町内で事業展開する利点を話し合った。

 ツアー参加者からは「実際に来てみないと分からないことが多い」と情報発信の改善を求める声や、「オンラインでどこでも仕事ができる。稼げる成功事例を作れば、人が集まる」といった意見が出た。

 同町出身でツアーの企画に携わったクレジオ・パートナーズ(広島市)の斎藤拓也取締役は「貴重な機会になった。町の関係者に知見を役立ててほしい」と話した。(鎌田剛)