早産児や低体重で生まれた赤ちゃん15人とその後の成長を紹介する写真展が、出雲市塩冶町の島根大医学部付属病院市民ギャラリーで開かれている。小さな体で保育器に入った状態と、元気な今の写真が家族のメッセージ付きで並び、愛情を受けて力強く育つ様子を伝える。11月6日まで。
付属病院の総合周産期母子医療センターには、新生児集中治療室(NICU)と新生児回復治療室(GCU)があり、妊娠37週未満で生まれた早産児や、2500グラム未満の低出生体重児を受け入れる。小さくても助かるケースは増えているが、家族は発達や健康面で心配が尽きないという。
写真展はNICUとGCUの保育士と看護師が、子どもの頑張りと家族の愛情を広く伝え、関心を持ってもらおうと開催。当事者団体の「しまねリトルベビーサークル縁」が協力した。
生まれた時は手のひらに乗るほど小さく、口からのチューブで呼吸するような赤ちゃんが、今はおもちゃを抱えたり、自転車に乗ったりして笑顔で写真に収まる。体重324グラムで生まれた男児の写真には「奇跡の誕生を経験し、命の尊さを日々かみしめています」と家族の言葉が添えられ、病院の患者も「生きる力を感じる」「大きくなって良かった」と見入っていた。
早産児は世界で10人に1人が該当するとされる。11月17日は「世界早産児デー」で、啓発活動が各地で行われる。
(山口春絵)