住民と記念写真に写る君ケ浜親方(中央)=島根県隠岐の島町下西、町役場
住民と記念写真に写る君ケ浜親方(中央)=島根県隠岐の島町下西、町役場

 大相撲の八角部屋(東京都墨田区)が、島根県隠岐の島町での隠岐合宿を支えた地元に感謝を伝えた。町役場で16日にあった感謝の集いで、同部屋の君ケ浜親方(38)=元関脇隠岐の海=が「東京で稽古ができない時期に開放感のある土俵でやらせてもらった。最高だった」と古里の合宿を振り返った。

 隠岐合宿は、2011年から19年まで毎年夏にあり、部屋の力士たちが町内の集会所を宿舎に、隠岐水産高校の土俵で稽古をしてきた。20年以降はコロナ禍で延期となり、再開することなく区切りを打つことになった。

 集いでは、君ケ浜親方と隠岐の富士さん(35)の地元出身2人によるトークショーがあり、約200人が参加。君ケ浜親方は、福祉施設での交流会で、普段は起き上がれない高齢者がまげを見て起き上がり、手を握ってくれたエピソードを紹介。その様子を見て涙した施設職員の姿に「頑張らなければならないと思った」と地元の期待が力になったとした。

 君ケ浜親方は、長年の支援に感謝し、希望者全員と記念撮影に応じた。ちゃんこ100食が振る舞われ、紅白餅1250袋がまかれた。

 集いを開いた隠岐合宿実行委員会(池田高世偉会長)は、隠岐水産高校、港町自治会、町食生活改善推進協議会(食改)に感謝状を贈った。隠岐の食材をアレンジした食事を提供したという食改の松田照美会長(80)は「若い力士のお母さんになったつもりでちゃんこを作ってきた。食改が一つの輪になって応援できたのがうれしい」と笑顔で語った。    (鎌田剛)