島根県内でツキノワグマの目撃が相次いでいる。生息域が拡大し、本年度は9月末時点で昨年度(581件)とほぼ同じ580件となった。県西部が8割以上を占め、人身被害も起き、住宅街にも出没した。今年は餌のドングリが「凶作」で、冬眠前の10~11月は注意が必要だ。(高見維吹)

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 月別の目撃は6月の147件が最多で、7月141件、5月139件、8月71件と続いた。地域別は、浜田市152件▽益田市110件▽吉賀町86件-など県西部が計473件で、81・6%を占めた。5月には警戒心が低い子グマが浜田市相生町の住宅街に出没。近年は国道9号以北での目撃も複数寄せられている。

 本年度は全国的に人身被害が相次ぎ、100人を超える過去最多のペースで推移。島根県内も6月に邑南町の70代男性が襲われ、頭部に重傷を負った。県内は過去6年で9件起き、12人が重軽傷を負い、浜田市5件▽益田市2件▽邑南町1件▽津和野町1件-と県西部に集中した。

 背景には...