第四章 大冴え(二十二)

「久しぶりやなあ、この味。そういや長い間、鮨(すし)も摘んでないもんなあ」

 白浪屋の権兵衛親分に連れてこられてこのかた、本所のこの屋敷からほとんど外に出ていない。何...