自治体庁舎に設置された箱型授乳室(資料)
自治体庁舎に設置された箱型授乳室(資料)

 読者の皆さんから意見を募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「利用しやすい授乳室とは?」にたくさんの投稿をありがとうございました。いただいた全ての投稿と、記者の雑感を掲載しています。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 1、簡易的な段ボール授乳室はあまりに安易だなと思いました。ちょっとしたことで命を落とす可能性のある赤ちゃんを抱いて、人に見られたら100%恥ずかしい体の一部を露出し、何か起こってもそう簡単に走り出すことができない状況。乳児を抱えていると、母は寝不足やけんしょう炎、産後の痛みなどで体調も万全ではないことが多いのです。簡易授乳室は「あればいいんだろ」的な空気を感じるのは私だけでしょうか? そもそもあんなに人通りのありそうなところに向かって堂々と「授乳室」と書かなくても。デリケートな乳児と体の部分だからこそ、授乳室を作るにあたって大事なことは第一に「安全性」、第二に「目立たずこっそり穏やかに安心して」授乳できることが必須項目だと思います。(カマキリママ、40代)

秋鹿なぎさ公園に設置された段ボール授乳室=松江市岡本町

 2、私が乳児の授乳をしていたのは、13年前と18年前です。そのときも授乳室を利用しました。ショッピングセンターの授乳室は2階の角にありました。鍵はないけど、人目につきにくい所だったので安心でした。おむつ交換をする台があったので助かりました。ソファに座ってゆったりとできました。博物館には女性トイレの近くにあったと思います。目立たない感じでした! やはり、プライバシーが守られることと、赤ちゃんが落ちないように安全面が確立していることが必須だと思います。段ボール製の授乳室、災害時に利用できそうな気がします!!(やっこ、50代)

 3、授乳室に本当にお世話になりました! 授乳室が増えていることにとても感謝しています。授乳室が無い時は、カーテンがある所をお借りして授乳したことがあります。スタッフさんに声をかけて、応接間を授乳室として利用できる施設もありました。色々利用させていただいた経験から、(1)荷物が置ける(2)空調設備がある(3)利用していることが外の人伝わり授乳に集中できる(4)しっかり閉まるカーテンや扉がある―という状況だと安心できました。ですが、実際のところ「授乳の際は声をかけてください。スペースお貸しします。」で十分です!(4歳ママ、30代)

道の駅「赤来高原」に設置された授乳室(2020年4月)

 4、さすがに段ボールと聞いた時はあぜんとしました。失礼です。しかも上側がなく、鍵もない。そんな危ないところで授乳しようとは誰も思いません。当事者目線の施設ではないからこんな滑稽な騒ぎになります。最近、飛行機の中で、授乳や赤ちゃんが泣いて困っているお母さんをみて、何とかして助けてあげたい、励ましてあげたいと思いながらも、声をかけるしかできないという経験をしました。みんなで温かく子育てを支えていきたいです。(60代女性)

 5、今年子どもが1歳になり卒乳しました。授乳室はあるだけでありがたいと思う一方、実際鍵がない場所も多いです。私は施設の受付に声をかけて利用するようなシステムの方が安心できました。(ただ本当に事務室のような場合もあり、隠しカメラがないかどうかなどいろいろ心配は尽きません…)(どんぐり、30代)

 6、やはり鍵があると安心だと思います。カーテンしかないといつ不審者に開けられるかと不安です。また父親も利用しやすいようなマークや表示文言があれば良いかと思います。授乳室とは話がそれますが、私の経験上、トイレに併設されているおむつ交換台やベビーチェアは古かったり、衛生的に気になったりするレベルのものが多いです。ただ設置するだけでなく、掃除やメンテナンスが行き届いた環境の所が増えるとうれしいです。(ねこまみれ、30代)

自治体庁舎に設置された箱型授乳室(資料)

 7、最近、段ボール製簡易授乳室に対する報道を見て、いろいろな意見や見解があることを知りました。確かに安全性や使用中か否かの状況の分かりにくさなど、要望はあると思いますが、まず設置されたことに賛同します。私が子育てしていた頃には、そのような場所は全くと言っていいほどなく、人目を気にしながら授乳せざるを得ない時もありました。その時は恥ずかしさよりも、子どもの授乳を優先的に考えた結果ですが、簡易的であっても、いろいろな場所に多くの授乳室があったらもっと助かったと思います。少子化問題が言われていますが、子育てしやすい環境づくりも大切なような気がします。(240、50代)

 8、私が子育て中には外出先に授乳室など無く、毎回車に戻って授乳していました。外から見えるのを防ぐために車の窓には色の濃いスモークフィルムを貼って。時折、巻き巻きタオルを肩からかぶって授乳している人もいました。今は恵まれているなぁと思います。しかし、育児中の母親に対してまだまだ理解が得られない場面も見られます。授乳室もあちこちに設置され、安心して子育てができる優しい世の中になってほしいですね。(一の瀬わたる子)

香川県琴平町の金刀比羅宮に設置された授乳室(2022年6月)

 9、段ボールで作られた授乳室が設置され、賛否両論の様子ですね。授乳室を設置してくれるのはありがたいけど、段ボールに扉は無く(カーテンのみ)、鍵もかけれないのでは防犯の意味で不安になります。もし授乳中に誰かが侵入してきたらと思うと安心して授乳ができません。子どもは授乳中の子だけとは限らず、一緒に授乳室でじっとしているとは限らないから、授乳中に子どもだけで歩き回っていたら、授乳中の親は、とっさの時に動けないので心配でならないでしょう。できたら親子で利用できる広い個室があり、目の離せない子どものために絵本やアニメなどの動画が見られるようになっていると良いと思います。(一の瀬わたる子)

 10、出雲市内のショッピングセンターには子ども服売り場の近くに授乳室があって便利です。割と広く、そこでおむつ交換もできます。ただ、個室ではないので知らない人と一緒になることも。けれど、子どもに関する情報交換ができて楽しいですよ。他人と一緒が嫌な人のために個室もあると良いですね。(一の瀬わたる子)

 

記者雑感 父親が使えるスペースなく困ったことも

 1カ月前、道の駅に寄贈された段ボール製の授乳室が、交流サイト(SNS)などで物議を醸しました。皆さんから寄せられたコメントでも、簡易的でもあった方がいいと思う人や、安全性に不安を感じる人がいて意見が分かれました。
 記者には授乳中の長女(1)がいます。出かける際は、外出先に授乳室やおむつ交換台があるかどうかが気になって調べます。おむつ交換をしようとしても、父親が使えるスペースがなくて困ったこともありました。
 そもそも昔は授乳室自体がなくて苦労したという意見も届きました。子育てしやすい環境づくりは少しずつ進んできていると思います。限られた財源の中でどうしていくのか。段ボール製の授乳室にしても、子育て世代の声を聞きながら改善を重ね、使いやすいスペースになってほしいです。
 (担当記者)

 

次回テーマ 連載「がんになっても」の感想特集

 次回のテーマは、くらし面で連載中の「がんになっても」感想特集です。専用のLINE窓口やメール、はがきなどを通じて読者からメッセージが届いています。一部を紹介するほか、企画を読んだ人も読んでいない人も、がんに関するご経験やご意見、エピソードをお寄せください。
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