西尾光平さん(左端)の怪談話に聞き入る参加者=江津市江津町、東向寺
西尾光平さん(左端)の怪談話に聞き入る参加者=江津市江津町、東向寺

 僧侶が不在の寺を地域のにぎわい拠点や新たな観光スポットにしようと、江津市江津町の東向寺で10日夜、日本酒を飲みながら怪談を楽しむイベントがあった。

 イベントは経営者専門ライターの高野朋美さん(53)=大田市仁摩町仁万=を中心に、僧侶で飲食店運営の本庄尚道さん(57)=江津市江津町=、内装工事業で怪談師の西尾光平さん(43)=京都市=が試験的に企画した。

 ろうそくの火がともされた本堂で、島根県西部の8人が参加。本庄さんが般若心経を唱えた後、内装工事業で事故物件を扱うことが多い西尾さんの話が始まった。大学時代の友人がアパートで心霊体験し、突然行方不明になった話など四つの話を披露した。

 江津市嘉久志町の塾経営、反田亮さん(52)は「使われていない寺で聞くと臨場感が一層増す。ユニークな試みなので、友人知人を誘って再度参加したい」と話した。

 本格的なイベントは東向寺で年明けに開催する予定。4カ月に1回を想定し、他の寺などでの実施も模索するという。
(村上栄太郎)