島根県側の中国山地でニホンジカが増えている。県内の生息域は島根半島が中心だったが、生息数の多い広島側から餌を求めて島根側に北上しているという。天敵がおらず、狩猟者の確保がままならない現状が追い打ちをかける。植栽したばかりの木の新芽をかじる食害が相次いでおり、林業事業者は「山が山として成り立たなくなる」と危機感を募らす。

 島根県鳥獣対策室によると、中国山地のシカは明治末期に姿を消したとみられていたが、...