愛犬アピールコンテストに出場し、柴犬の祖・石号の誕生日を祝う参加者たち=益田市美都町宇津川
愛犬アピールコンテストに出場し、柴犬の祖・石号の誕生日を祝う参加者たち=益田市美都町宇津川

 柴犬のルーツ「石号」の出生地、益田市美都町でこのほど、石号の誕生日を祝う「柴犬の里まつり」があった。石像がある2カ所を会場に柴犬や愛犬家らが集い、にぎやかに祝福した。

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 2019年、住民や企業の寄付で石号の石像を生家と美都温泉に設置して以降、地元の一般社団法人ぬくもりの里二川と、二川公民館が開催している。

 美都町板井川の生家では、隣接の石号記念館に置かれた募金箱の浄財で制作したフラワーアートがお披露目され、関係者が「お誕生日おめでとう」と唱和した。

 同町宇津川の美都温泉では、愛犬アピールコンテストがあり、出場した7匹の飼い主が「抱っこをせがむところ」「くるりと巻いた尻尾」「何をしてもかわいい」とアピールし、溺愛ぶりを競った。石号にまつわる紙芝居や歌とダンスの披露もあり、会場の様子を島根県立大の学生が英語に翻訳してライブ配信した。

 大吉(雄、13歳)を連れて訪れた広島市安佐北区の公務員和泉裕昭さん(62)は「(愛犬が)13歳と高齢なので、思い出に祖先に会い、誕生日を祝おうと思って来た。また来ます」と話した。ぬくもりの里の潮隆人理事長(73)は「地域にとってありがたい犬。地域おこしの一つとして今後も多くの人に紹介したい」と述べた。
 (藤本ちあき)