父八雲(ラフカディオ・ハーン)と松江出身の母セツの三男として生まれ、画家となった小泉清。独特な色彩感覚や油絵の具の厚塗り表現は見る者を圧倒し、自らの手で人生を閉じるという悲劇的な結末とあいまって多くの人々の関心を引き付けてきた。
現在、小泉八雲記念館で開催中の展覧会では初公開を含む同館所蔵の小泉清作品が一堂に会し、島根県立美術館や池田記念美術館(新潟県南魚沼市)などが所蔵する作品・資料もあわせて展示されることで〝人間・小泉清〟が浮かび上がる内容となっている。
以下、その画業と人生を簡単に振り返りながら同展鑑賞の手引としたい。
1899年12月20日、東京で生まれた小泉清は、...