いつもはLINE(ライン)で連絡してくる妻(43)から、珍しく電話がかかってきた。職場にいた菅家英昭(50)は不吉な予感がした。「転んで意識がなくなった。どうしよう」。電話口で息子(6)の名前を繰り返し叫んでいる。妻はパニックになっていた。

 救急搬送された息子は手術を受けたが、意識が戻らない。「脳波フラットです」。聞き慣れない医師の言葉に動揺した。全身を管でつながれ、頻繁にピーピーと音が鳴る。「とにかく早く意識が戻って」。鶴を折り、ひたすら回復を祈...