島根の仲間と2030年 島根かみあり国スポ・全スポの舞台で日本一に!
好きなことと仕事を両立できるのは
人に恵まれたからです
「中学生の頃、夕方のニュースで北陵高校のなぎなた部が紹介されたんです」と、なぎなたとの出会いを語る石飛涼子さん。出雲北陵高校のなぎなた部に入部し2年生で日本一に。大学では県外に出て、現在は地元出雲市で保育士として働きながら、日本一を目指して精進しています。
島根の澄んだ空気が恋しくて
「なぎなたにのめり込んだのは先輩たちの存在が大きかったです。練習には高校の先輩や社会人の方もいて、みなさんカッコいいんですよ。競技だけじゃなくて普段の生活からきちっとしていて、強いのにただ勝つことだけを目指しているわけじゃない。憧れました。ひとつ学年が上の高田先輩が私のお手本で、先輩の背中を追いかけてきました」
九州の短期大学へ進学したのも、なぎなた部のある環境を求めての選択でした。
「短大では保育学科でした。なぎなた基準で選んだので、最初は特に保育士を目指していたわけじゃなかったんです。でも短大時代に保育士の魅力を知れたのは良かったなって。
九州はめっちゃ楽しかったですよ。友達も増えて、街なので遊ぶところも多くて。九州の人って明るくてオープンですし刺激がたくさんありました。それと同時に、自然のそばでのんびり育った私には、落ち着いた島根が合うんだなとも思いました。地元にいた頃は、島根のジメジメした空気が嫌だったけど、九州に行ったら島根のしっとり澄んだ空気が恋しくなったんです。地元は空気がきれいだったんだなあって実感しました」
2匹の犬の散歩が夕方の日課。家から海までは歩いて10分ほどの距離。
時間がゆっくり流れる土地
短大を卒業し、地元出雲で保育士に。なぎなたとの両立をサポートしてくれる職場環境には感謝しかないといいます。
「子どもたちも私がなぎなたをやっていることを知っていて、大会前にいつも壮行会を開いてくれるんです。ある年長さんの子は私が国体から帰ってくるのを楽しみに待っていて、帰ったら手紙を渡してくれました。園の一大イベントの運動会となぎなたの全国大会が重なって、大会出場を辞退しようか悩んでいた時は、同僚の先生方が快く背中を押してくださいました。運動会の準備で忙しいのにわざわざ時間を作って子どもと一緒に歌まで歌って送り出してくれて。本当にいい職場に巡り会えました」
勤務先の北陵認定こども園。子どもたちの中にも石飛さんのなぎなたのファンがいる。
暮らしの場として島根を選び地元へ戻った石飛さん。大人になった今、島根の魅力をどう感じるのでしょうか。
「電車で近くの席の人と世間話したり、道で挨拶を交わしたり。平和ですし、人が少ないから一人ひとりとちゃんと関われる環境だなって思います。みなさん心のゆとりがあるのか、おおらかですよね。私は今、出雲の海と森のそばの実家で暮らしているんですけど、よく犬の散歩で浜辺まで出るんです。夕日を眺めながらぼーっとする時間が好きで。島根に帰ってきてから、なんだか時間がゆっくり流れている感じがするんですよね。今こうして自分らしいペースで、好きななぎなたと仕事を両立できているのも、島根のおおらかで温かな人のおかげです。本当に人に恵まれているなあって思います」
石飛さんの大切な人

Profile
石飛涼子さん(24歳)/佐賀県から出雲市にUターン小中学校では剣道、高校からなぎなたに打ち込み、高校時代はなぎなた日本一に輝く。九州での大学時代を経てUターン。現在は出雲市で保育士として働きながら、なぎなた競技を続ける。高田彩さんは高校時代のひと学年上の先輩。