鳥取県東部のご当地ラーメン「素ラーメン」を、元祖店「武蔵屋食堂」(鳥取市職人町)が即席袋麺として販売を始め、家庭で気軽に味わえるようになった。素ラーメンは和風のうどんだしに中華麺を合わせ、あっさりした味わいが特徴で、鳥取市民のソウルフードだ。4代目店主の吉村泰行さん(50)は「家族と一緒に食べてほしい」と期待する。
(鳥取総局報道部・岸本久瑠人)
素ラーメンの歴史
素ラーメンは、カツオや昆布などでとった和風だしに自家製の中太のちぢれ麺を絡め、具は天かすやネギ、もやし、かまぼこを添え、至ってシンプルだ。

武蔵野食堂の2代目店主が1955年ごろに考案し、70年近く親しまれている。当時、ラーメンの販売価格は30円だったが、まだ珍しかったラーメンを学生に安価で食べてほしいと、うどんだしを活用した素ラーメンとして15円程度で振る舞った。現在は1杯550円で提供している。
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