大規模火災で焼け落ちた石川県輪島市の「輪島朝市」付近=2日午後0時28分
大規模火災で焼け落ちた石川県輪島市の「輪島朝市」付近=2日午後0時28分

 島根県内に暮らす石川県出身者は古里の家族の無事を確認し、胸をなで下ろした。一方、島根にゆかりのある現地在住者は収まらない余震に不安な思いを語った。

 金沢市出身でイラスト作家の千間ルナさん(35)=雲南市大東町大東=は地震発生を知り、すぐに能登半島の石川県能登町に住む父親とLINEで連絡を取った。たまたま金沢市内にいて無事だったという。地割れや火災など現地の悲惨な状況をニュースで目にし「心配は尽きないが、父親の心情を察して必要最低限の連絡にとどめている」と話した。

 出身地の加賀市に80代の祖父母が暮らすパラレルワーカーの清水結衣さん(31)=江津市嘉久志町=は母を通じて祖父母の無事を確認した。「現地に行って祖父母をサポートしたい。できれば災害ボランティアにも参加したい」とはやる気持ちを抑えた。

 同じ加賀市出身で、ボタン園を運営する安部弘子さん(69)=松江市八束町入江=は実家の姉と兄の安否を気遣った。「駅や物が大きく動く大変な揺れだった」とメールの返信があったという。安堵(あんど)しつつ「まだ心配だ」とニュースにかじりついた。

 加賀市在住で20年前から島根県内で作品展の開催を続ける陶芸家の苧野(あさの)憲夫さん(76)は、市内の友人宅で新年会の最中に地震に遭った。自宅に戻ると作品十数点が割れていたという。余震が続いており「グラグラと揺れて夜は眠れなかった」と、おびえながらの生活の先行きを案じた。

(原暁、村上栄太郎)