マグニチュード(M)7・6を観測した能登半島地震では、北海道から九州にかけての広範囲で津波が観測された。日本海側では過去にも津波被害を伴う地震が発生している。沿岸部に到達するまでの時間が短いのが日本海側の津波の特徴だが、太平洋側に比べてデータが少なく、専門家は「調査や観測網の整備を進めるべきだ」と訴える。

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▼データ入らず

 海に面した石川県珠洲市宝立町鵜飼地区。鵜飼川の河口付近は津波が堤防を越えて浸水した。川沿いの道路には5日も船が乗り上げたままだ。

 「もし避難していなかったら、どうなっていたことか」。避難所に身を寄せる女性(76)は声を震わせた。1日夕、大きな揺れで立っていられなくなり、...