「懐競り」で魚を競り落とす仲買人たち=浜田市原井町、浜田漁港
「懐競り」で魚を競り落とす仲買人たち=浜田市原井町、浜田漁港

 浜田漁港(浜田市原井町)で6日早朝、新年の初競りがあり、競り人のかけ声が市場に響く中、仲買人が近海で取れたブリやナマコなどの魚介類を競り落とした。JFしまね浜田支所によると、水揚げ量は前日のしけの影響で例年より少ない680キロ、水揚げ金額は126万円だった。

 初競りは午前6時25分ごろに開始。仲買人約50人が上着やバインダーで隠しながら独特の指遣いで競り値を示す「懐競(ふところぜ)り」で、江津の定置網漁で取れたスズキや長崎県から陸送されたブリなどを次々に競り落とした。

 初競りの前に開いた式典では漁業関係者約100人が豊漁を祈願。JFしまねの岸宏会長は、高度衛生管理型の荷さばき所である4号市場や沖合底引き網漁船が新たに完成した昨年を振り返りながら「将来に託せるよう、水産都市・浜田の流通体制を確立させることが大事になる」とあいさつした。
(宮廻裕樹)