「何のためにやっているのか分からないような(数字の)時もあります」。出雲市知井宮町の運送業ヒカミで、配車担当の青戸利夫部長がため息をついた。
運転手45人が近畿や中京圏などに荷物を運ぶが、運送事業の収益率は低い。運賃から高速道路代や燃料代といった変動費を差し引くと、赤字でトラックを走らせる場合もある。荷主との良好な関係を保つための苦渋の判断だ。
利益が上がりにくい環境で間もなく、運転手の残業規制で人手不足が加速し、物流に支障を来すとされる「2024年問題」に直面することになる。長年業界に携わる玉木博顧問(71)は「難題です。本当に」と静かに口にした。
▼3割いけば御の字
24年4月の改正労働基準法の適用で運転手の残業時間は...