一畑百貨店は地域に支えられ、愛されたデパートだった。おもてなしに心を砕いた従業員、子や孫を連れ、世代を超えて足を運んだ常連客は閉店を惜しんだ。

 

一畑百貨店・錦織要社長

一畑百貨店・錦織要社長 地域に愛されていたことを実感

 (閉店を受け)たくさんの温かいメッセージをいただいた。最終営業日も多くの皆さんに来ていただき、車いすに乗って常連のお客さまもみえた。地域に愛されていたことを、改めて実感した。閉店発表後、最後まで営業できるかどうか、正直不安もあった。従業員は最後まで踏みとどまってくれて、感謝している。一畑百貨店を、皆さんの思い出に残してもらえたらうれしい。

 

井上智弘専務

一畑百貨店・井上智弘専務 大学卒業後の43年間、一筋

 大学卒業後の43年間、一筋に勤めた。都会にしかなかったブランドを3年がかりで誘致したり、新たな催事を企画したり、地域の人に喜んでいただけるうれしさが原動力だった。転職に目を向けたことはあっても、結局いつも企業愛が踏みとどまらせた。百貨店は地域のファッション感度を上げるインフラ産業で、裾野の広い事業。閉店で地域に穴をあけてしまうことを申し訳なく思う。


 

安西啓介食品部長

一畑百貨店・安西啓介食品部長 感謝でいっぱい

 県外の百貨店など小売業界で働いた後、2007年に入社した。地元の人気ベーカリーを集めたイベントや、地元食材をふんだんに使ったおせちなどを企画した。...