自民党公認での立候補を表明する錦織功政氏
自民党公認での立候補を表明する錦織功政氏

 元財務省中国財務局長の錦織功政氏(54)=松江市在住=が17日、松江市内で記者会見し、細田博之前衆院議長の死去に伴う衆院島根1区補選に、自民党公認で立候補することを表明した。

 岸田政権の支持率低迷や派閥の政治資金パーティーの裏金事件などを巡り、自民に逆風が吹く中で細田氏の後継として立候補することについて「経験と人材が豊かな自民以外ないと考えていた。数々の政治的、社会的な困難に立ち向かってきた政党で自己研鑽に努めていきたい」と述べた。

 裏金事件に関しては「今後議論が進む中で法改正が必要ならば改正すべきだ。法令に基づいて政治資金を扱うのは当たり前のこと。国民が疑念を抱かないよう良識に従い、政治資金を公明正大に扱っていくことが大切だ」と強調した。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係性やセクハラ疑惑などを残したまま死去した細田氏については「厳しくも温かいご指導をいただいた。昨今、さまざまな報道がある一方、数々の功績もある。政治家の功績は総合的に考慮されるものだ。もう少し長く生きてくだされば、自身でしっかりと説明を果たしたはずだ」と話した。

 高齢者の雇用や女性活躍の推進、東京一極集中の是正などに注力すると訴え、エネルギー自給の観点から中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)を含む国の原子力政策を進める必要があるとの考えを示した。

 錦織氏は松江市出身。松江北高校、早稲田大政治経済学部を卒業し、1993年に旧大蔵省(現財務省)に入省した。復興庁統括官付参事官、財務省大臣官房地方課長などを歴任。2022年6月から同省中国財務局長を務め、23年12月19日付で退職した。県連の候補者公募に名乗りを上げ、16日に県連幹部と国会議員らでつくる選挙対策委員会が候補者に選んだ。

 補選はこのほか、立憲民主党元職で党県連代表の亀井亜紀子氏(58)、共産党新人で党県常任委員の村穂江利子氏(55)が立候補を予定。日本維新の会が候補者擁立を目指している。補選は衆院解散・総選挙がなければ4月16日告示、28日投開票となる。
 (白築昂、佐々木一全)