4月28日、松江市内であった立憲民主党の亀井亜紀子氏(58)の報告会。「岸田(文雄)首相がしっかり対応していれば違った結果になっていた」。当選の報を待つ支持者の横で、先行するとの報道各社の情勢調査に立民島根県連の石橋通宏代表代行(参院比例)は冷静だった。

 衆院3補選で唯一の与野党対決となった島根1区補選。民主党が政権交代を果たした2009年衆院選でさえ勝てなかった「鬼門」だった。亀井氏は自民党の牙城を崩したが、内情は自民派閥の政治資金パーティー裏金事件の「敵失」に乗じた側面が強かった。

 実際、自民支持層は離反し、山陰中央新報社の当日の出口調査で亀井氏に26%が流れた。報告会後、自民国会議員を務めた亀井氏の父・久興氏は「今回は『亀井』に投じた人はたくさんいるが、その人たちは次は自民に入れる。次の戦いがすぐ待っている」と語り、高揚感はなかった。

 野党共闘壁高く

 次期衆院選に向け、...