自民党の敗戦は世論を見誤ったことに尽きる。

 派閥の政治資金パーティー裏金事件への反発は、有権者だけでなく、支持者の間でも広がっていた。数字が立証する。投票日の出口調査で、自民支持層の約8割が裏金事件を考慮したと回答し、3割弱が立憲民主党候補に投じた。


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 自民は党本部主導で選挙戦を展開し、選挙期間中に2度島根入りした岸田文雄首相をはじめ、党幹部や国会議員が謝罪を繰り返した。ただ、裏金事件に関与した国会議員の処分は甘く、肝心の政治改革の具体案の取りまとめも後手に回った。焦点である国会議員の監督責任の取り方や政治資金の透明化で踏み込み不足が目立った。...