記念品の石見神楽面を受け取る藤井聡太王将(左から2人目)と菅井竜也八段(同3人目)=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘
記念品の石見神楽面を受け取る藤井聡太王将(左から2人目)と菅井竜也八段(同3人目)=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘

 将棋の主要タイトル全八冠を独占する藤井聡太王将(21)に、菅井竜也八段(31)が挑む第73期王将戦7番勝負第3局を翌日に控えた26日、対局会場の国民宿舎さんべ荘(大田市三瓶町)で前夜祭があった。1、2局を連勝し、勝てば防衛に王手がかかる藤井王将は「集中して臨む」と語り、反撃ののろしを上げたい菅井八段は「自分の将棋を指す」と意気込んだ。


 前夜祭には両対局者に加え、立会人の福崎文吾九段(64)や楫野弘和大田市長ら80人が出席した。両対局者に記念品として石見神楽の恵比須(えびす)の面が贈られた。藤井王将は前夜祭に先立って勝運の神を祭る物部神社(同市川合町)を参拝し「気が引き締まった」と述べた。菅井八段は、8年前に将棋合宿をしたさんべ荘の思い出を振り返り「対局に集中できる環境に感謝したい」と語った。

花束を受け取る、藤井聡太王将(左から2人目)と菅井竜也八段(左から3人目)=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘

 対局は2日制で27、28の両日にある。両日とも大盤解説会開催が予定され、各日の定員150席は事前申込者で満席となっている。

 今シリーズは盤石の強さを見せる藤井王将に、現代振り飛車党の第一人者の菅井八段が挑む構図。藤井王将が防衛すれば、タイトル戦20連覇となり、大山康晴十五世名人と並んでいるタイトル連続獲得の最多記録を塗り替える。
(板垣敏郎)

前夜祭で登壇した(左から)記録係の松下洸平初段、立会人の福崎文吾九段、藤井聡太王将、菅井竜也八段、副立会人の畠山鎮八段=大田市三瓶町、国民宿舎さんべ荘