王将戦「勝負飯とおやつ」一覧
王将戦「勝負飯とおやつ」一覧

 大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で27、28日の両日に指される第73期王将戦第3局は、主要タイトル全八冠を独占する藤井聡太王将(21)と挑戦者の菅井竜也八段(31)の熱戦だけでなく、昼食の「勝負飯」や、おやつにも注目が集まる。昨年は経済関係者がブランド化を進める大田のアナゴを使った「大あなご重」が注文され、知名度が高まった。2人が選ぶメニューは?

 

 さんべ荘での王将戦開催は2年連続7回目となる。第5局が指された昨年は、藤井王将(当時五冠)に、棋界のレジェンド羽生善治九段(53)が挑む夢の対局になった。1日目の勝負飯に藤井王将は全長50センチ以上の大あなごを使ったお重、羽生九段は農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録されている三瓶そばを選んだ。

昨年の王将戦1日目の昼食で、藤井王将が選んだ「大田の大あなご」を使ったアナゴ重(左)と、羽生九段が選んだ天ぷらとそばのセット(提供:日本将棋連盟)


 さんべ荘は昨年と同じ7種類の勝負飯を用意する。大あなご重とわさび飯、一部の産地を変更したしまね和牛のステーキ重は残し、新たに、大あなご天そば▽豚のすき焼き定食▽三瓶そばや天ぷらを盛り合わせた山海セット▽赤鶏のとり天定食-を加えた。いずれも大田市や周辺地域の食材をふんだんに使っている。王将戦後は、さんべ荘のレストランの通常メニューに加える予定だ。

 

 おやつは、地域の店が製造する逸品を厳選した。地元の日高恵比須堂(大田市三瓶町)の「芋最中と湯の花まんじゅう」、旭養鶏舎(同市波根町)の「チーズタルト&カステラ」、ベッカライコンディトライヒダカ(同市大森町)のドイツバームクーヘンなど7種類。長丁場の戦いで思考力を保つには脳への糖分補給は欠かせず、2日間で計4回提供する。

 

 藤井王将は今シリーズ第1局で「手打ちそば・天ぷら付き」で勝利しており、大あなご重を食べた昨年も踏まえると「大あなご天そば」を選ぶ可能性がある。午後のおやつは飲み物を二つ注文する「ダブルドリンク」が定着しており、さんべ荘でも〝定跡〟が用いられるのか注目が集まる。

 さんべ荘の高原充支配人(46)は「地域のお店の活性化やさまざまな波及効果につながればうれしい」と期待する。
(勝部浩文)