第73期王将戦7番勝負第3局が27、28の両日に指される国民宿舎さんべ荘(大田市三瓶町)で、初日の初手や2日目の封じ手の開封を見学できる特別宿泊プランに複数の申し込みが出ている。2人一組の料金は80万円と超高額ながら、熱烈な将棋ファンにとってはたまらないの企画のようで、施設側も藤井聡太八冠(21)の経済効果に驚いている。
王将戦は藤井王将が菅井竜也八段(31)を迎え撃つ。対局部屋への立ち入りは通常、将棋関係者に限定され、報道陣も初手と封じ手の開封の場面だけが公開される。
プランは26日の前夜祭に参加し、27日の初手が見学できる「初手見学プラン」と、28日の封じ手開封と感想戦が見学できる「封じ手開封・感想戦見学プラン」があり、両プランとも1泊2日で80万円。宿泊の食事も藤井王将や菅井八段と同じメニューが味わえる。
他のタイトル戦でも同様の試みはあり、日本将棋連盟と協議し、強気の料金に設定して14日に募集を開始したところ、これまでに5組の申し込みがあった。18日に締め切り、19日に抽選する。さんべ荘としては史上最高額の宿泊プランで、高原充支配人(46)は「普段できない体験に反響が大きく、ファンの熱の高まりを感じる」と話した。
(勝部浩文)