将棋の王将戦7番勝負第3局が大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で指されるのを前に、不審者を想定したテロ対策訓練が15日、現地であった。宿舎スタッフや観光関係者、大田署員ら30人が対処法や110番通報の手順を確認し、万一に備えた。
王将戦は27、28の両日にあり、主要タイトル全八冠を独占する藤井聡太王将(21)が、菅井竜也八段(31)を迎え撃つ。さんべ荘は前夜祭の26日と対局日の計3日間は全館貸し切りとなり、将棋関係者のほか、大盤解説イベントに多くのファンが訪れる。
訓練は大田署の警備担当者を招き実施。本人確認の徹底やスタッフ間での情報共有、不審に感じた場合はすぐに通報することを確認した。施設責任者が実際に110番通報し、県警本部の通信指令に模擬の不審者情報を伝え、警察官を急行させた。刺股の訓練では犯人の制圧ではなく、警察が来るまでの時間稼ぎとして使う方法を学んだ。
さんべ荘の宇谷義弘社長(77)は「藤井王将と菅井八段が安心して指せるよう万全を期す」と話した。大田署は当日、周辺パトロールを強化する。(勝部浩文)