読者の皆さんから意見を募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「地震への備え」にたくさんの投稿をありがとうございました。いただいた全ての投稿と、記者の雑感を掲載しています。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 1、私は以前から地震を想定した避難訓練でバス移動について疑問を感じていました。なぜなら地震により道路が通常のままとは限らないからだ。今回の石川県で起きた地震でも、あちこちの道で隆起したり亀裂が入ったり、土砂崩れにより通行不可能に陥っている。避難には、例えば空を利用するのはどうだろう。ヘリなどの離着陸で広い場所が必要になるが、非常時には学校の校庭や屋上が使えるように常に備えておけば良いと思う。国が中心となり、各都道府県、市町村が一体となって「迅速で安全な避難」を考える時だと思う。

石川県七尾市の倒壊した家屋(資料)


 2、正月早々の津波や大きな地震は淡路大震災や3・11(東日本大震災)をすぐ思い起こしました。日がたつにつれ、その被害の大きさや亡くなった人の多さに胸が痛みます。私たちのところは周囲に山や川がなく、すぐ災害には結びつきません。今、一番憤慨していることは、被災した人たちを標的に窃盗や悪徳商法が横行していることです。まさに火事場泥棒で最低の行為です。打ちひしがれた時に優しい口ぶりはつい信用してしまいます。立ち直るまでにはこれから大変でしょうが、国や市町村の支援を糧に今を乗り越えてほしいです。(でめ、73歳)

 3、避難できる体力や脚力は絶対必要と思い、日頃から筋トレしています。さらに、原始的なことでいえば火起こしや水のろ過方法などの知識も必要だと痛感しました。救援物資が届きにくいであろう、山陰地方。子ども含め、日頃から話題にするといいですね。交流サイト(SNS)でのデマ情報、なぜそんな事を、と非常に悲しくなります。厳罰処置や何らか制裁の対象にすべきでは? 私は、今地震がきたらどう行動するか、時々シミュレーションしています。役に立つか分からないけど、心の準備だけでも、と過ごしています。(こゆき、50歳)

 4、わが家は海抜20メートルのところにある。母屋と離れと蔵の3棟。どれかがつぶれても1棟くらいは残るだろうと思っている。両親がいるときは、紙パンツ、衣類をすぐ袋に入れて逃げられるように、飯ごうと米と炭はすぐ出せるところに置くようにした。昔の井戸は枯れているので、新しく井戸を掘ろうとしたがダメだったため、ペットボトルをいつも30本そろえていた。ペットボトルは腐るので、私一人ペットボトルのお茶を飲んでいた。両親がなくなったら、私一人だ。どうにかなると思い、今は何も対策などしていない。(ドルチェ、76歳)

能登半島地震で発生した火災で焼け落ちた、石川県輪島市内(資料)


 5、地震は昼夜盆正月など関係無く起きる。能登半島地震発生後のさんコメのテーマに、地震だけでなく災害への備えをほとんどしていないと思った。東日本大震災後、絆の大切さが言われていた。ここ数年のコロナ禍で地域の絆が薄れてるように感じていた。行政支援が届かない非常時には、地域で支え合わなければならない。そのためには、地域での触れ合い、絆を大切にしていきたいと思う。家屋倒壊の大地震では、非常持ち出し袋など持ち出せないかもしれないが、非常時に備えて中身を点検しておこうと思う。(冬タンポポ、65歳)

 6、SNS上に根拠のない情報を発信する人、被害者へ悪質商法をする人に言いたい。自分のことしか考えない、他者への気遣いや思いやりなどない。人としての優しさや心の温かさを持っていないのですね。偽情報の反応を面白がったり、被害にあった人へ悪質商法をしたりなど、人を困らせ、さらに不幸にさせて得た喜びにはいつか、倍返しほどの不幸がありますよ!(冬タンポポ、65歳)

 7、能登半島地震で災害の恐ろしさを改めて痛感! では、災害の備えは? お水、加工品、食材、カセットコンロ、ボンベ、懐中電灯、乾電池、カイロ、お薬、衛生用品などを少し多めに買っておく。市販されている防災グッズ、家具やタンス、食器棚、テレビなどの転倒防止金具の取り付け、できれば充電器の準備。ローリングストックの実行くらいしか思いつかないです。避難場所の確認や、災害時の行動、約束事などについて、家族と普段から話し合って、共有しておくことが大事だと思います。(タカボー、72歳)

非常食やカイロといった防災グッズをそろえておこう


 8、私の息子は4月から寮生になります。木造2階建ての1階の部屋に住む予定です。私は、寮を見に行ったとき、震度6までは耐えられるようにしてあると寮母さんから説明を受けました。能登半島地震があってからは、木造建ての1階にいるときに地震が来たら、どうしたらいいかを考えるようになりました。外にすぐに逃げるか、机の下に潜るかがいいかなと家族で話し合っています。息子には、どこにいても「落ちてこない・倒れてこない・移動してこない場所」に行くように言おうと思います! また、物が「落ちてこない・倒れてこない・移動してこない」部屋にしようとも思います!(やっこ、50代)

 9、現在の住居から100キロ離れたところに実家があります。いずれは空き家になると思いますが、今住んでいる場所が地震被害を受けたら、実家を避難場所として使えるよう維持していかなければならないと思いました。(日々是好日、64歳)

 10、能登半島の地震の日。家族で県西部の義両親の家に行っており、県外から帰省中の兄弟家族もいました。海岸から10メートルくらいに家があるため、普段聞き慣れないサイレンが鳴り響いた時は、正直焦りました。夫の兄弟が「よし、とりあえず避難しよう」と言って、子どもやめいっ子を連れて丘に駆け上りました。津波到達予測が出てから、丘を下りました。
 ちなみに義両親(70代)は全く動じず、こたつの中でテレビの速報を見ていました。何もなかったからよかったとはいえ、都会から帰省中の、夫の兄弟。すぐに「よし避難するぞ」と判断して、子どもたちにとっても貴重な経験ができたと思いました。
 しかし、「もしも長期休み中に、子どもたちだけでジジババの家に遊びに行っている時に地震があったら…」。海から近いのに全く動かない高齢者と、孫。恐ろしくなりました。避難グッズも大事ですが、まずは命。子どもたちには、自分で自分の命を守るためにどうすればいいか。どこに出かけても、まず避難経路を確認したりしようと思います。(神西湖のほとり)
 

記者雑感 日頃の備えや話し合いが大切

 元日に襲った能登半島地震。山陰両県でも揺れ、津波注意報が発令されました。自宅近くの屋外スピーカーからはサイレンが鳴り響き、正月気分は一瞬で吹き飛びました。今回寄せられたコメントでも、実際に避難された方がいらっしゃいました。災害はいつどこで起きるか分からないことを改めて痛感しました。

 能登半島地震では、道路損壊や土砂崩れの多発で孤立状態の地域がありました。山陰両県で同規模の地震が起きた場合、同じような状況に陥る可能性は十分にあります。自分の身を守るためにはどうすればいいのか。従来の防災対策でいいのか。考えなければいけない課題は多いです。

 まずは防災グッズの準備や避難場所の確認など、日頃の備えが大切です。災害の特性によっては準備していたものを持って出られないこともありますが、家族や友人と話し合っておくだけでも意識は変わっていきます。今回の地震を自分事と捉え、みんなで考えていきましょう。(担当記者)
 

次回テーマ どうなる? まちの書店

 次回のテーマは「どうなる? まちの書店」です。本のインターネット通販の普及などで、全国的に書店が減っています。島根県には書店のない地域が既にあり、最近では、大田市唯一の書店が3月末に閉店することが分かりました。このニュースをどう受け止めましたか? 本に親しめる場所を守るには、どうしたらいいのでしょうか。意見を教えてください。
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