2月の米子市キャンプ実施委員会初会合で、受け入れ態勢を検討する委員=同市内
2月の米子市キャンプ実施委員会初会合で、受け入れ態勢を検討する委員=同市内
2月の米子市キャンプ実施委員会初会合で、受け入れ態勢を検討する委員=同市内

 新型コロナウイルス禍で東京五輪・パラリンピックは海外の観客受け入れ断念が決まり、事前合宿受け入れを諦める自治体もある中、米子市がジャマイカ選手団受け入れ準備を着々と進めている。交通の要衝で医療機関や宿泊、体育施設が多いという優位性を背景に、山陰両県の他の合宿地に先駆けてコロナ対策を講じた宿泊、練習環境を整え、選手団の入国を待つ。 (米子総局報道部・田淵浩平)

 同市内では五輪に出場する水泳、体操の選手1人ずつが7月に、パラリンピックのボート選手1人が8月に、それぞれ12日間の合宿を予定。指導者らを含めて計30人程度が訪れる。

 インドのホッケー選手団を受け入れようとした島根県奥出雲町など全国各地で合宿断念の動きが出る中、同市のキャンプ実施委員会は2月に受け入れマニュアル初版を策定した。

◇体育館も各地区に

 いずれも選手の出場内定が早く、個人競技で少人数という事情もあるとはいえ、早く準備に取りかかれたのは、市の環境によるところが大きい。

 玄関口の米子空港(境港市佐斐神町)に近く、PCR検査は鳥取大医学部発の企業・R0(アールゼロ、米子市加茂町2丁目)に委託。ANAクラウンプラザホテル米子(同市久米町)や鳥取県立米子産業体育館(同市東福原8丁目)など大規模の宿泊、体育施設があり、市民と動線や利用時間を分けることを可能にした。

 米子市は山陰屈指の規模の皆生温泉がある上、ホテルも多く、宿泊施設97カ所の収容人数は計9205人で、県全体の4分の1を占める。体育施設も多く、特に体育館は学校の体育館とは別に中学校ごとの地区体育館があるほどだ。

 実施委の深田龍事務局長(市スポーツ振興課長)は「今回に限らず、合宿地として市が持つ強みを再認識した」と話す。

◇膨らむ感染対策費

 もちろん、悩みもある。

 目的の一つだった異文化交流はインターネットを介した歓迎会や壮行会、練習の見学などに限られ、市民と選手が直接触れ合う場はつくれそうにない。県と市などが負担する合宿費用は新型コロナ対策で400万円以上膨らみ、2500万円。さらに国庫補助を活用した追加対策が見込まれ、合宿まで4カ月を切った今も、総額や受け入れマニュアルを確定できずにいる。

 それでも、合宿受け入れの意義は大きい。水泳選手をサポートする県水泳連盟の宍戸靖雄専務は「国を背負う代表選手の練習を目にすることは、子どもたちの今後に必ず生きる」と期待感を示す。受け入れ準備は新型コロナの行方に応じて直前まで続く見込み。深田事務局長は「選手が大会に万全の体調で臨める環境をつくる」と意気込む。