鳥取県立中央病院(鳥取市江津)救命救急センターの医師が救急隊員に必要な指示を出すのを拒否し、医師が救急救命士にパワハラに該当する言動をした問題で、県病院局は5日、センターの管理体制を見直す人事異動を発表した。救急集中治療科部長でセンター長を兼務する小林誠人医師のセンター長の職を解き、広岡保明院長が兼務する。発令は10日付。
センター長の交代について、県病院局の竹内和久局長は「病院幹部がガバナンス(統治)を効かせた体制にする」と述べた。
小児救急集中治療科部長で、高次救急集中治療センター副センター長を兼務する後藤保医師も、同副センター長の職を解く。新たに同病院医療局の建部茂副局長と、呼吸器・乳腺・内分泌外科の前田啓之部長の2人が兼務する。
問題を巡っては救命救急センターが、救急隊員が医師の指示を受けて処置する「特定行為」について、東部広域行政管理組合消防局からの指示要請を一時拒否した。病院は「センター長が院長の許可を得ずに行った」とし、不適切な行為だったと消防局に謝罪した。
消防局は医師のパワハラもあったと主張。病院は医師1人のパワハラを認めた。一連の問題を受け、県病院局はセンターの体制を見直す考えを示していた。(福間崇広)
◇鳥取県病院局(10日付)...