朝起きると頭が重くて二度寝してしまった。仕事をしようと思ったのにほとんど片付かぬまま、用があって家から出た。
映画『パーフェクトデイズ』を見ようと、なんばに来た。映画観が信頼できる友人から勧められた。脚本を担当している前職の先輩・高崎卓馬さんから「見てね」と連絡があった。監督は大好きなヴィム・ベンダーズである。カンヌ映画祭の男優賞も取っている。見ないわけにはいかない。
何も起きない静かな映画だった。エンドロールが終わった後に、私は立ち上がって、静かに長い間、音の鳴らない拍手をした。
劇場を出るとおばさんが電話をしている。...