島根県が廃止を打ち出していた県営ホテル「島根イン青山」(東京都港区)について、今年12月末に営業終了する方針を決めた。運営委託と賃貸の契約期間が切れるのは来年7月末だが、建物を原状に戻して所有者に返すため、営業を前倒しで終える。
ホテルは1987年8月に開業。48室のうち、20室を県民向けに安価な料金(1泊シングル5900円)で提供するが、県民利用の低迷や施設の老朽化に伴う多額の維持管理費を理由に2019年9月に廃止方針を示していた。
営業終了時期を契約期限前としたのは、ホテル用の仕切りを取り払うなど復旧に伴う工事期間が必要なため。宿泊予約は6カ月前から可能で、県やホテルのホームページで周知を図る。工事の関連費用は精査中。9月定例県議会に提案する見込み。
ホテルは都内の不動産会社に運営を委託。宿泊者数は1994年度の1万8800人がピークで、2020年度は新型コロナウイルスの影響で約4千人に落ち込んだ。 (原田准吏)