近代的な政治制度がつくられて以降、社会は絶えず政治家や官僚の腐敗、不正、堕落に悩まされてきた。国民のために仕事をしなければいけないはずの人たちが、自分たちの権限や利権の維持のための政治を行ってしまう。この問題は、古くから解決のできない課題であり続けた。
150年ほど前に活躍したフランスの社会学者であり政治家だった人にトクヴィルがいた。
彼はこの問題を生みだす原因は、政治に携わることが出世の手段になっているところにあると考えていた。例えば、官僚になることが出世の道になってしまっていると、自分が出世するために、役所の権限を強化し、天下り先のことを考えた政策や、政治家への忖度(そんたく)などを発生させてしまう。
この問題を解決するためには、...