島根県海士町でキッチンカー「Happy Kitchen Will(ハッピー キッチン ウィル)」を営む今坂篤志さん(53)と裕子さん(39)夫婦が、19~22日に能登半島地震の被災地、石川県輪島市海士町(あままち)などで500食を炊き出し支援した。力士引退後に大病を患い、奇跡的に回復した篤志さんは「助かった命で、今度は人の役に立ちたい」と往復1700キロを走り抜け、被災者に心温まる料理を振る舞った。

 今坂さん夫婦は、調理から配食まで自己完結できるキッチンカーが被災地で役立つと考えた。地震発生後に隠岐諸島の各地にある出店場所で募金を行い、隠岐の島町内の事業者からは大量の菓子の提供を受けた。

 19日にフェリーで島根県海士町を出発し、奈良、滋賀両県に寄って、取引業者から唐揚げやご飯といった食材の無償提供を受けた。丸1日かけて大阪のキッチンカー仲間が炊き出し拠点にする輪島市門前町の阿岸公民館で豚汁とからあげ丼200食を振る舞った後、...